ロンドン為替見通し=年末の英金利見通しに変化あるか、英賃金動向に注目

 本日のロンドンタイムでは、前半の材料としては英雇用指標、後半は1月米消費者物価指数(CPI)となる。

 1月英雇用統計では、前回7カ月ぶりに4%台まで悪化した失業率がポイントの1つ。より注目したいのが3カ月間の週平均賃金(賞与を除く)。前回は前年比6.4%上昇と約1年半ぶりの高水準を記録した。英中銀は春以降からインフレ鈍化が顕著になると予測しているものの、賃金の上昇圧力が高まったままであれば、中銀見通しの上振れが意識されるかもしれない。

 今のところ短期金融市場が英金融政策の先行きをどのように見ているかを確認すると、夏までに2回の0.25%利上げ(合計で0.50%引き上げ)が織り込み済み。秋にかけて据え置き、年末に小幅な利下げ予想が増えつつある。賃金動向で年末の見通しが変わるかに留意したい。

 ユーロドルは、米CPIまではポンドドルにつれた動きか。なお昨日は、欧州委員会がユーロ圏の2023年の実質成長率を上方修正したことが好感されてユーロ買いにつながったもよう。短期金融市場では、欧州中央銀行(ECB)が秋口までに更に合計で1%の利上げを実施すると見ている。利下げについても来年2月までずれ込むと見方が優勢だ。

 1月米CPIでは、結果を受けて米利上げの着地点を市場がどの程度まで見込むか、年末までの利下げ織り込み度合いの強弱などでドルが上下することになるだろう。

想定レンジ上限
・ポンドドルは日足一目均衡表・基準線1.2205ドル、ユーロドルは6日高値1.0805ドル。

想定レンジ下限
・ポンドドルは13日安値1.2031ドル、ユーロドルも13日安値1.0656ドル。


(小針)
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