株式明日の戦略-上げ下げのリズム途絶えるか 半導体関連の動向に注目

 16日の日経平均は反発。194円高の27696円で終えた。米国株高や円安進行を受けて、寄り付きから3桁の上昇。企業の決算発表の一巡で材料に乏しく、上にも下にも動きづらい時間帯が続いたが、後場に高値をつける場面があった。日足では5日ぶりの陽線を形成し、2/6につけた終値ベースの直近高値を更新した。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆6300億円。業種別ではその他製品、輸送用機器、ゴム製品などが上昇した一方、パルプ・紙、銀行、水産・農林などが下落した。売買代金上位では、円安進行を受けてトヨタ自動車が25日線上を回復したほか、サウジ政府系ファンドの買い増しが判明した任天堂が大幅続伸。ソフトバンクGなどにも見直し買いが入った。一方、メガバンクの一角が利益確定売りに押され、業績懸念が引き続き嫌気されたシマノが下げた。

 プライム市場の値上がり率上位では、国内証券が目標株価を引き上げたテイクアンドギヴ・ニーズが大幅反発。16日付けの日経新聞で独立系M&A仲介に勢いと報じられたことが好感されたM&Aキャピタルが大幅続伸となったほか、日本金銭機械が昨年来高値を更新した。ビジョンや力の源HLDGなどのインバウンド関連の一角が堅調。上方修正や増配などが引き続き評価された円谷フィールズHLDGは商い増加を伴って上値を伸ばした。
一方、値下がりでは、業績の下方修正が引き続き悪材料視されたダイヤモンドエレクトリックHDが大幅続落。さくらインターネットが上昇一服で売りがかさんだほか、インフォマートが昨年来安値を更新。前日に決算発表を終えたサッポロHDが大幅に売られた。

 今晩も米国では経済指標が多く、あすもドル円や米国株の方向性に頼った地合い環境か。日経平均は円安が追い風、円高は逆風という雰囲気が値動きから伝わってくるが、米ナスダックとの連動性も強い。米国市場では先週末時点で米ナスダックは昨年11月と12月につけた戻り高値を通る支持線まで調整した。今週は支持線から3日続伸と切り返しており、今晩の持続力がカギとなる。
 日経平均は直近では上げ下げのリズムが続いている。モミ合い基調が続く一方、上昇が続く25日線とのかい離が縮小してきており、ここからの上放れにつながる(上げ下げのリズムが途絶える)好環境で早朝を迎えられるかが注目される。
 あす早朝に予定されている世界最大の半導体製造装置メーカーであるアプライド・マテリアルズの決算への株価の反応も半導体関連の動向に左右する。前回、11月は決算発表を通じて時間外で株価が大幅高となり、国内の半導体関連株への買いに波及した経緯がある。SOX指数も2日につけた直近高値更新が視野に入っており、今晩の動向に要注目だ。
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