株式明日の戦略-上げ下げを繰り返し週間では下落、来週は手がかり難で小動きか
17日の日経平均は反落。終値は183円安の27513円。市場予想を上回る米1月生産者物価指数(PPI)などを受けて米国株が大幅安となったことから、200円超下げて始まった。寄り付き直後に安値をつけ、すぐに切り返して戻りを試しにいったが、下げ幅を2桁に縮めて27600円台に乗せたところでは押し戻された。再び下げ幅を広げた後は27500円近辺でのもみ合いが長く続いたが、終値では27500円を上回った。
東証プライムの売買代金は概算で2兆6600億円。業種別ではゴム製品、鉄鋼、繊維などが上昇している一方、精密機器、サービス、電気機器などが下落している。TBS<9401.T>、テレビ朝日<9409.T>、フジメディア<4676.T>、日本テレビ<9404.T>、テレビ東京<9413.T>、朝日放送<9405.T>など、テレビ局の株価が後場に入って軒並み大幅高。民放連が総務省に「放送分野における外資規制などに係る法令改正に対する民放連意見」を提出したと公表したことが刺激材料になったとの見方があった。反面、今23.12期の大幅減益計画が失望を誘った木徳神糧<2700.T>が急落した。
東証1部の騰落銘柄数は値上がり617/値下がり1134。米国の長期金利上昇を材料に三菱UFJや三井住友など銀行株が上昇。日本製鉄が7連騰と鉄鋼株への買いが続いた。決算が評価されたブリヂストンが4.3%高となり、横浜ゴムや住友ゴムなど同業にも資金が向かった。上方修正を発表した三菱ケミカルが買いを集め、上方修正と増配を発表した買取王国はストップ高まで買われる場面があった。
一方、米金利上昇でグロース株が嫌われており、レーザーテック、ソフトバンクG、ソニーG、リクルート、メルカリなどが大幅安。大株主による株式売却に関するリリースが出てきたEDPが18%安と厳しい下げとなった。楽天Gやバンクオブイノベーションなど、今週決算で強く買われた銘柄が利益確定売りに押された。ファンベップやDNAチップ研究所が急落し、キャンバスがストップ安となるなど、直近で賑わっていたバイオ系の中小型株が、手じまい売りに押されたように軒並み大きく売り込まれた。
日経平均は反落。これまで市場予想を上回る経済指標を多く消化しながら概ね堅調に推移していた米国株が崩れたことから、終日さえない展開となった。ただ、下値が堅いというこれまでの傾向にも大きな変化はなく、弱いながらも落ち着いた動きが続いた。
米国では次回FOMCで0.5%利上げの可能性が意識され始めた。ここまで0.75%→0.5%→0.25%と利上げ幅の縮小が続いており、時期はともかく、この先は据え置きになっていずれは利下げとみていた市場参加者が多かったと思われる。そうではないかもしれないことが、2023年の株式市場の大きなリスク。次回の0.5%が可能性ではなく確度が高まった場合に、米国株がどういった反応を見せるのかが注目される。そしてそれは、今年の株式市場を見る上で非常に重要なポイントとなる。
米国株がある程度調整はしても、昨年の安値を割り込むようなことがなければ、大底は打ったとの見方が強まる。一方、それは想定外といった反応となり、米主要3指数のいずれかもしくは全部が昨年の安値を割り込んでしまうようなら、2023年の株式市場には大きな期待は持てない。なお、米国の金融政策に関しては、今年の残りのFOMCでは、どの会合でも据え置き、+0.25%、+0.5%の3つの可能性があり、+0.75%(からそれ以上)と利下げの可能性は極めて低いとみている。そう遠くないうちに米10年債利回りが4%台に乗せそうであることから、まずはこの時に米国株にどのくらいのネガティブインパクトがあるのかを見定める必要がある。
【来週の見通し】
小動きか。米国は月曜20日、日本は木曜23日が休場で、手掛けづらさが意識される一週間となる。国内では材料が少なく、米国株や為替の影響を受けやすくなるだろう。ただ、米国もCPI、PPI、小売売上高など注目度の高い経済指標を消化したばかりで、この週に出てくる1月中古住宅販売や10-12月期GDP改定値などが米国の金利を大きく刺激するかは微妙なところ。0.25%の利上げが決定された前回のFOMC議事録が公表されるが、この後に出てきた経済指標が強かったこともあり、米国株も方向感が定まらないとみる。日経平均は日々の振れ幅が大きくなったとしても、どちらかに傾けばそれが修正され、週を通しては大きな動きにはならないと予想する。
東証プライムの売買代金は概算で2兆6600億円。業種別ではゴム製品、鉄鋼、繊維などが上昇している一方、精密機器、サービス、電気機器などが下落している。TBS<9401.T>、テレビ朝日<9409.T>、フジメディア<4676.T>、日本テレビ<9404.T>、テレビ東京<9413.T>、朝日放送<9405.T>など、テレビ局の株価が後場に入って軒並み大幅高。民放連が総務省に「放送分野における外資規制などに係る法令改正に対する民放連意見」を提出したと公表したことが刺激材料になったとの見方があった。反面、今23.12期の大幅減益計画が失望を誘った木徳神糧<2700.T>が急落した。
東証1部の騰落銘柄数は値上がり617/値下がり1134。米国の長期金利上昇を材料に三菱UFJや三井住友など銀行株が上昇。日本製鉄が7連騰と鉄鋼株への買いが続いた。決算が評価されたブリヂストンが4.3%高となり、横浜ゴムや住友ゴムなど同業にも資金が向かった。上方修正を発表した三菱ケミカルが買いを集め、上方修正と増配を発表した買取王国はストップ高まで買われる場面があった。
一方、米金利上昇でグロース株が嫌われており、レーザーテック、ソフトバンクG、ソニーG、リクルート、メルカリなどが大幅安。大株主による株式売却に関するリリースが出てきたEDPが18%安と厳しい下げとなった。楽天Gやバンクオブイノベーションなど、今週決算で強く買われた銘柄が利益確定売りに押された。ファンベップやDNAチップ研究所が急落し、キャンバスがストップ安となるなど、直近で賑わっていたバイオ系の中小型株が、手じまい売りに押されたように軒並み大きく売り込まれた。
日経平均は反落。これまで市場予想を上回る経済指標を多く消化しながら概ね堅調に推移していた米国株が崩れたことから、終日さえない展開となった。ただ、下値が堅いというこれまでの傾向にも大きな変化はなく、弱いながらも落ち着いた動きが続いた。
米国では次回FOMCで0.5%利上げの可能性が意識され始めた。ここまで0.75%→0.5%→0.25%と利上げ幅の縮小が続いており、時期はともかく、この先は据え置きになっていずれは利下げとみていた市場参加者が多かったと思われる。そうではないかもしれないことが、2023年の株式市場の大きなリスク。次回の0.5%が可能性ではなく確度が高まった場合に、米国株がどういった反応を見せるのかが注目される。そしてそれは、今年の株式市場を見る上で非常に重要なポイントとなる。
米国株がある程度調整はしても、昨年の安値を割り込むようなことがなければ、大底は打ったとの見方が強まる。一方、それは想定外といった反応となり、米主要3指数のいずれかもしくは全部が昨年の安値を割り込んでしまうようなら、2023年の株式市場には大きな期待は持てない。なお、米国の金融政策に関しては、今年の残りのFOMCでは、どの会合でも据え置き、+0.25%、+0.5%の3つの可能性があり、+0.75%(からそれ以上)と利下げの可能性は極めて低いとみている。そう遠くないうちに米10年債利回りが4%台に乗せそうであることから、まずはこの時に米国株にどのくらいのネガティブインパクトがあるのかを見定める必要がある。
【来週の見通し】
小動きか。米国は月曜20日、日本は木曜23日が休場で、手掛けづらさが意識される一週間となる。国内では材料が少なく、米国株や為替の影響を受けやすくなるだろう。ただ、米国もCPI、PPI、小売売上高など注目度の高い経済指標を消化したばかりで、この週に出てくる1月中古住宅販売や10-12月期GDP改定値などが米国の金利を大きく刺激するかは微妙なところ。0.25%の利上げが決定された前回のFOMC議事録が公表されるが、この後に出てきた経済指標が強かったこともあり、米国株も方向感が定まらないとみる。日経平均は日々の振れ幅が大きくなったとしても、どちらかに傾けばそれが修正され、週を通しては大きな動きにはならないと予想する。