株式明日の戦略-反落も下値の堅さは確認、値上がり銘柄の多さに一定の安心感

 21日の日経平均は反落。終値は58円安の27473円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり999/値下がり756。原油関連に見直し買いが入っており、INPEX、石油資源開発、コスモエネルギーなどが大幅上昇。UACJ、東邦亜鉛、住友鉱山など非鉄株にも強い動きが見られた。日経新聞で「空飛ぶ車」向けの素材開発拠点を設けると報じられた東レが、3%を超える上昇で昨年来高値を更新。TBSHDやフジメディアなど今週動意づいたテレビ局株が改めて買いを集めた。ソニーと網膜投影カメラキットを製品化したと発表したQDレーザがストップ高となった。

 一方、指数寄与度の大きいファーストリテイリングやソフトバンクGが軟調。三菱UFJや三井住友など銀行株が場中に下げ幅を広げる弱い動きとなった。グロース株の買いづらさが意識されており、メルカリが3%を超える下落。原油関連が強かったことが嫌気されたか、JALやJR西日本など原油高局面で敬遠されやすい運輸株が軒並み安となった。22.12期決算で継続企業の前提に関する注記がついたツバキナカシマが、12.7%安と急落した。

 日経平均は反落。きのうは高値引けであったが、きょうは引けにかけての動きが弱かった。ただ、プライムでは値上がり銘柄の方が多く、指数がさえないからといって個別が買えないという地合いにはなっていない。むしろ全体では方向感が出ない分、割安感や値ごろ感がありながらも、普段は物色の蚊帳の外に置かれている銘柄群に脚光が当たっているような雰囲気もある。

 あすは休場明けの米国株の影響を受けるだろうが、大きく崩れる可能性は低いとみる。東京市場は木曜23日が天皇誕生日により休場。金曜24日には1月全国消費者物価指数の発表があり、衆議院で日銀総裁・副総裁候補者に対する所信聴取がある。もし、市場参加者の先安観が強いのであれば、きょうの前場で日経平均が崩れた際に、見切り売りがもっと強めに出ていただろう。しかし、下げ幅を3桁に広げたところではすぐに押し目買いが入っている。上値は重いが下値もかなり堅い。終値(27473円)では25日線(27364円、21日時点、以下同じ)や75日線(27305円)を上回った。これらはあすもサポート水準として意識されるだろう。
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