株式明日の戦略-大幅高も週間では下落、来週は神経質な展開か

 24日の日経平均は3日ぶり大幅反発。終値は349円高の27453円。

 日経平均は大幅高。ただ、27400円台まで上昇し、高値圏で終えたにもかかわらず、27500円台には乗せられなかった。27497.13円を上回れば週足陽線、27513.13円を上回れば週間上昇が達成できただけに、これらに迫りながら超える場面すらなかったことは物足りない。

 きょうは半導体株の強さが目立ったが、厳密に言うと装置関連が強く、信越化学<4063.T>などは0.9%高とお祭りの輪の中心にはいなかった。半導体製造装置に関する好ニュースに関連銘柄が一時的に好反応を示しただけかもしれないだけに、上昇に持続性があるかを注意深く見ておく必要がある。

 なお、今回決算で跳ねた米国のエヌビディアは直近の高値を上回っており、これと似たようなチャート形状なのが、アドバンテスト、ディスコ、SCREENなど。一方、東京エレクトロンは直近高値を超えておらず、レーザーテックはまだ安値圏でのもみ合いが続いている。レーザーテックが強く切り返してくるようなら、きょうの半導体株の上昇は本物と言えるだろう。

【来週の見通し】
 神経質な展開か。3月相場に突入するが、翌週に日銀会合(3/9~3/10)や米2月雇用統計(3/10)の発表があるため、これらを前に手掛けづらさが意識されるだろう。月末月初で日米とも経済指標の発表が多いが、特に米国では2月に入って強めの指標が多く確認されており、市場予想を上回るものが多くなると、米金利の上昇や米国株の下落を呼び込む可能性がある。

 国内は、次回の日銀会合が黒田総裁の下での最後となるため、これを見極めるまでは動きづらい。日経平均はこれまで同様に27500円を超えてくると上値が重くなるとみる一方、同水準を大きく下回るようであれば、押し目買いは入ると考える。待ちの姿勢が日増しに強まってくると思われる中、グロース、バリュー、テーマ株などを日替わりで物色する傾向が強まると予想する。


【今週を振り返る】
 軟調となった。日本、米国ともに祝日が1日ある変則日程。休場明けの米国株が長期金利の上昇を嫌気して大きく崩れたことから、日経平均はこれを受けた22日に大幅安となった。一方、東京市場が休場の間に、米国ではエヌビディアが決算を受けて急伸したことから、これを受けた24日には大幅高。この2営業日の値幅が大きかったが、下げて戻して週間では小幅な下落にとどまった。注目された日銀新総裁候補の植田和男氏の衆院所信聴取は大きな波乱なく消化。中盤まではバリュー優位でグロース株が強く敬遠された一方、24日は半導体装置関連の多くが急伸するなど、物色面では変化も見られた。日経平均は週間では約59円の下落となり、週足では3週連続で陰線を形成した。


【来週の予定】
 国内では、参議院で日銀総裁候補者に対する所信聴取(2/27)、1月商業動態統計、1月鉱工業生産指数、1月住宅着工統計、2年国債入札、参議院で日銀副総裁候補者に対する所信聴取(2/28)、2月新車販売台数、2月軽自動車販売台数(3/1)、10-12月期法人企業統計、2月マネタリーベース(3/2)、2月都区部消費者物価指数、1月失業率、1月有効求人倍率(3/3)などがある。

 企業決算では、東和フード(2/27)、ラクーンHD(2/28)、伊藤園(3/1)、泉州電、ロックフィールド(3/2)、アインHD、日駐、カナモト、DyDo、内田洋、ハイレックス、ファースト住、日本スキー、日ハウスHD(3/3)などが発表を予定している。
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