株式明日の戦略-上下に振れるも小幅安、あすも様子見相場が継続か

 2日の日経平均は3日ぶり小幅反落。終値は17円安の27498円。まちまちの米国株を受けて、寄り付きは小幅高。ただ、バリュー株が買われた一方でグロース株が売られており、前場では上げ幅を3桁に広げた後に急失速して下げ幅を3桁に広げるなど、値動きが不安定となった。強弱感が入り交じりながらも前場を小幅安で終えると、後場は前日終値近辺でほとんど値幅が出なくなった。終盤にかけてはプラス圏に浮上する場面もあったが、小幅な下落で取引を終了。節目の27500円もわずかに下回った。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆6800億円。業種別では鉄鋼、非鉄金属、海運などが上昇した一方、電気・ガス、証券・商品先物、銀行などが下落した。日経新聞で東北大学と宇宙用AI開発で連携すると報じられ、会社からも同様のリリースが出てきたAI inside<4488.T>がストップ高。半面、2月度の月次で既存店売上高が2カ月連続で前年同期比マイナスとなったワークマン<7564.T>が大幅に下落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり759/値下がり989。月次の発表を前にファーストリテイリングが2%を超える上昇。序盤では同社の値動きが日経平均に大きく影響したような動きも見られた。高炉メーカーとの価格交渉でスポンジチタンの値上げが進んだとのニュースを手がかりに大阪チタニウムが値を飛ばし、同業の東邦チタニウムにも強い買いが入った。バリュー優位の地合いの中、JFEHD、三井物産、商船三井など市況関連が堅調。2月度の月次が良好であったKeePer技研が急伸した。

 一方、米10年債利回りが4%台に乗せたことから、グロース株が全般軟調。レーザーテックや東京エレクトロンなど半導体株のほか、エムスリーやリクルートなどが売りに押された。関西電力、東北電力、中国電力など電力株が軒並み安。野村HDや大和証Gなど証券株もさえない動きのものが多かった。新株予約権の発行が嫌気された大幸薬品や、立会外分売を発表したヴィスが大幅安。前日に大きく跳ねたGFAやTORICOが一転急落した。

 日経平均は小幅安。米国株も3指数がまちまちと方向感が定まらなかったことから、日本株も終わってみれば小動きにとどまった。1日の米国市場は2月のISM製造業景気指数に反応はしたものの、大きな動きにはならなかった。米10年債利回りは4%台に乗せたが、これに対する反応が限られたのは、来週の方がより強い材料があるからだろう。米国では来週、7日に上院銀行委員会公聴会でパウエルFRB議長の発言機会があり、10日に2月の雇用統計が発表される。なお、これに加えて国内では黒田総裁下での最後の日銀会合(9~10日)もあり、来週は色々と慌ただしくなる。

 日経平均は高値が27617円、安値が27408円で、終値が27498円。ここ最近の傾向通り、27500円より下では買いが入り、27500円を超えてくると上値が重くなった。先に注目イベントを多く控える中、あすも似たような展開となる可能性が高い。一方、来週は上述のようにマーケットを大きく動かしそうな材料が多い。下なら手じまい売りが急がれるであろうし、上に振れた場合でも物色の矛先が大きく変わる可能性がある。利が乗っているものに関しては、いったんの利益確定も一考だ。
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