東京為替見通し=ドル円、今夜の米4月消費者物価指数(CPI)を控えて動意薄か

 9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが上昇に転じたことをきっかけに一時135.36円まで上値を伸ばした。ユーロドルは米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いで1.0941ドルまで下落した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、米国債務上限引き上げを巡る協議が12日に再び行われることになったことで、今夜発表される米国4月の消費者物価指数(CPI)を控えて動きづらい展開が予想される。

 ドル円の今週の高値は、8日が135.30円、9日が135.36円までとなっており、日足一目均衡表・転換線(※本日は135.58円)が上値を抑える構図が続いている。
 ドル円の上昇トレンドの再開は、債務上限が引き上げられる可能性が高まり、米国4月CPIがインフレ伸び率鈍化を打ち消すような結果を待つことになる。

 イエレン米財務長官が6月1日を「Xデイ」と警告した債務上限引き上げ問題は、先ほどまで、バイデン米大統領と議会指導部、マッカーシー下院議長(共和党)、マコネル上院院内総務(共和党)、ジェフリーズ下院院内総務(民主党)、シューマー上院院内総務(民主党)との間で協議されていたが、決着はつかなった模様で、12日に再開されると報じられている。
 イエレン米財務長官は、5月11日から13日までは新潟で開催されるG7財務大臣・中央銀行総裁会議に参加することになっており、バイデン米大統領も5月19、20、21日には、広島サミットに参加することになっている。バイデン米大統領と上下両院の議員がワシントンに同時に居る時期は、「Xデイ」までは6日間(10日、11日、12日、15日、16日、17日)だけとなっている。

 昨日、ウィリアムズ米NY連銀総裁は、6月の次回連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策判断は、入手するデータ次第、と強調した。5月のFOMC声明では、3月の「見込む(anticipate)」から「判断(determine)」に文言が変わり、2006年8月のFF金利誘導目標5.00-25%時点での利上げ休止を示唆した文言「累積的(cumulative)」が使用されたことで、利上げ休止観測が高まっている。

 4月の米CPIは、前年比+5.0%と予想されており、3月の前年比+5.0%と変わらずと見込まれており、予想を下回り利上げ休止観測が高まるのか、それとも、予想を上回って、利上げ観測が台頭するのか要注目となる。
 シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、6月と7月FOMCでは政策金利据え置きの確率が高いものの、9月FOMCでは0.25%の利下げ確率が高まり、12月FOMCでは、FF金利誘導目標が4.25-50%へ引き下げられる確率が高まっている。



(山下)
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